赤・白・ロゼ・スパークリング・酒精強化、ワイン5種の製法の違い
赤・白・ロゼ・スパークリング・酒精強化。ワインの違いは色や泡の有無だけではありません。原料のブドウをどう扱うか、いつ何を加えるか、という製法そのものが種類ごとに異なります。5種類の造り方の違いを整理しました。
5種類の比較表
| 種類 | 主原料 | 製法のポイント | 味わいの傾向 |
|---|---|---|---|
| 赤ワイン | 黒ブドウ | 果皮ごと発酵させ、色素とタンニンを抽出する | 渋みとコクがある |
| 白ワイン | 白ブドウ(黒ブドウの場合は果皮を除く) | 発酵前に果皮を取り除く | すっきり、フルーティー |
| ロゼワイン | 黒ブドウが中心 | 果皮との接触をごく短時間にとどめる | 赤と白の中間、軽やか |
| スパークリングワイン | 白・黒どちらも | 二次発酵で発生する炭酸ガスを閉じ込める | 発泡、爽やか |
| 酒精強化ワイン | 白・黒どちらも | 発酵の途中または後にブランデー等を添加する | 添加の時期で甘口・辛口が決まる、高アルコール |
赤と白を分けるのは、果皮と付き合う時間
赤ワインの色とタンニン(渋み)は、ブドウの果皮に由来します。黒ブドウを果皮ごとタンクに入れて発酵させることで、果皮の色素と渋み成分がじわじわと果汁に溶け出します。一方の白ワインは、発酵を始める前に果皮を取り除いてしまうため、色もタンニンもほとんど残りません。つまり赤・白の違いは、ブドウの色そのものというより「果皮と一緒に発酵させるかどうか」が本質的な違いです。
ロゼワインは「短時間の果皮接触」で造る
ロゼワインには主に2つの製法があります。セニエ法は黒ブドウを果皮ごと8〜48時間ほど漬け込み、軽く色づいたところで果汁だけを抜き取って発酵させる方法。直接圧搾法は黒ブドウを白ワインと同じように圧搾し、プレスの際にわずかに移る色素だけで仕上げる方法で、セニエ法よりも淡い色になります。なお、完成した赤ワインと白ワインを混ぜて作る方法は、EUの規定では原則禁止されており、シャンパーニュ地方など一部の例外を除いて認められていません。
スパークリングワインは「二度目の発酵」がカギ
スパークリングワインは、一度完成させた通常のワイン(スティルワイン)に糖分と酵母を加え、もう一度発酵させることで炭酸ガスを閉じ込めて造ります。この二次発酵を瓶の中で行うのがトラディショナル方式(シャンパーニュ方式)で、きめ細かい泡が特徴ですが、1本ずつしか造れず手間がかかります。大きな密閉タンクの中で二次発酵させるのがシャルマ方式で、一度に大量生産できるため、日常的に飲まれるスパークリングワインの多くはこちらの製法です。なお「シャンパン」と名乗れるのは、フランスのシャンパーニュ地方でトラディショナル方式により造られたものだけです。
酒精強化ワインの甘口・辛口は「添加のタイミング」で決まる
酒精強化ワイン(フォーティファイドワイン)は、発酵の途中または後にブランデーなど度数の高い酒を添加して造ります。ポイントは、添加するタイミングによって甘口にも辛口にもなるということ。発酵の早い段階で加えると、糖分がアルコールに変わりきる前に発酵が止まるため糖分が残り、甘口に仕上がります(ポートワインなど)。逆に発酵がある程度進んでから加えると、糖分の多くが既にアルコールに変わっているため辛口になります(シェリーの一部など)。同じ「ブランデーを加える」という工程でも、タイミング次第で全く違う味わいになるのが特徴です。