テキーラ・メスカル
テキーラとメスカル、実は「テキーラはメスカルの一種」だった
テキーラとメスカル、ラベルに書かれた見た目は似ていても、実はこの2つは並列の関係ではありません。もともとアガベを原料とした蒸留酒は総称して「メスカル」と呼ばれており、その中でも特定の条件を満たすものだけが、後に「テキーラ」として区別されるようになりました。いわば、テキーラはメスカルの一種、という親子のような関係です。
比較表
| テキーラ | メスカル | |
|---|---|---|
| 原料のアガベ | ブルーアガベのみ | 種類の規定なし(複数種を使用可) |
| 主な産地 | ハリスコ州を中心とした指定地域 | オアハカ州を中心とした指定9州 |
| 加熱方法 | アウトクラベ(圧力釜)等による間接加熱が主流 | タテマド(地中窯での直火焼き)が伝統的 |
| 生産規模 | 比較的大規模な生産者が中心 | パレンケと呼ばれる小規模蒸留所が中心 |
※加熱方法は原産地呼称の規定そのものではなく、あくまで一般的な傾向です。
スモーキーな香りの正体は「焼き方」の違い
メスカル特有の、燻したようなスモーキーな香り。この違いを生んでいるのが加熱方法です。アガベの芯(ピニャ)を糖化させる工程で、テキーラは圧力釜やレンガ釜を使って間接的に加熱するのに対し、メスカルは伝統的に地面に掘った窯で直火焼きにする「タテマド」という手法を使います。この直火による焼き加減が、メスカルらしい独特の燻香を生み出しています。
テキーラの中にも「本物度」の違いがある
ここまでの話とは別に、テキーラそのものの中にも分類があります。原料のブルーアガベを100%使用したものは「100%アガベテキーラ」と呼ばれ、これに満たないもの(他の糖類等を混ぜたもの)は「ミクストテキーラ」と呼ばれます。ミクストテキーラも原料比率の条件を満たせば「テキーラ」と名乗ることができるため、購入時に「100%アガベ」の表記があるかどうかは、味わいの目安として覚えておくと良いポイントです。
まとめると
テキーラとメスカルは、対等な2つの選択肢ではなく、「メスカル」という大きな括りの中に「テキーラ」という厳格な条件付きのサブジャンルが存在する、という関係です。産地・原料アガベの種類・加熱方法の違いが、そのままテキーラの華やかさとメスカルの野性的な個性の違いに直結しています。