焼酎
焼酎の甲類・乙類、原料による違いを比較する
「甲類」「乙類」「芋焼酎」「麦焼酎」。焼酎の分類は、実は2つの別々の軸が混ざって使われています。「甲類・乙類」は蒸留方法による分類、「芋・麦・米」は原料による分類です。この2つを分けて理解すると、焼酎の棚がぐっと見通しよくなります。
軸1: 甲類・乙類(蒸留方法による分類)
| 甲類(連続式蒸留焼酎) | 乙類(単式蒸留焼酎・本格焼酎) | |
|---|---|---|
| 蒸留機 | 連続式蒸留機 | 単式蒸留機 |
| アルコール度数 | 36%未満 | 45%以下 |
| 味わい | 無色透明、クセの少ないクリアな味わい | 原料由来の香味が残る、個性のある味わい |
| 主な用途 | チューハイ・果実酒のベース(ホワイトリカー) | ロック・水割り等でそのまま楽しむ |
※2006年の酒税法改正で正式名称は「連続式蒸留焼酎」「単式蒸留焼酎」に変更されましたが、酒類業組合法に基づく表示として「甲類」「乙類」の呼称は現在も認められています。両者をブレンドした「混和焼酎」も存在します。
甲類は連続式蒸留機で何度も蒸留と加水を繰り返すことで、原料由来の香味成分をほぼ完全に取り除いた高純度なアルコールに仕上がります。乙類は昔ながらの単式蒸留機で1回だけ蒸留するため、原料の風味がしっかり残ります。「本格焼酎」と呼べるのは乙類のうち、指定の原料・麹・水以外の添加物を使わないなど、厳格な基準を満たしたものに限られます。
軸2: 原料による違い(乙類・本格焼酎の中の分類)
「芋焼酎」「麦焼酎」「米焼酎」「黒糖焼酎」「そば焼酎」は、いずれも乙類(本格焼酎)の中で、主原料によって呼び分けられているものです。同じ単式蒸留という製法でも、原料が変われば香りも味わいも大きく変わります。
- 芋焼酎: さつまいも由来の甘い香りと濃厚な旨み。鹿児島・宮崎が主産地
- 麦焼酎: 香ばしくすっきりとした軽やかな味わい。大分・長崎(壱岐)が有名
- 米焼酎: 日本酒に通じる穏やかで上品な香り。熊本・球磨地方が主産地
- 黒糖焼酎: サトウキビ由来の黒糖を原料とする、奄美群島だけに認められた製法
- そば焼酎: そば由来の香ばしさが特徴。比較的新しく生まれたジャンル
まとめると
「甲類か乙類か」は蒸留方法の話、「芋か麦か米か」は乙類の中でのさらに細かい原料の話。この2つの軸を分けて覚えておけば、「芋焼酎は乙類の一種」「チューハイのベースはたいてい甲類」というように、焼酎の分類がすっきり整理できます。