ラム
ラムのホワイト・ダーク・アグリコール、実は2つの軸が混ざっている
「ホワイトラム」「ダークラム」「アグリコールラム」。よく見るこの3つの呼び名、実は焼酎の「甲類・乙類」と「芋・麦・米」のように、性質の異なる2つの軸が混ざっています。1つは「熟成期間による色の違い」、もう1つは「原料・製法の違い」です。この2軸を分けて理解すると、ラムの分類がすっきり整理できます。
軸1: 熟成期間による色の分類(ホワイト→ゴールド→ダーク)
| ホワイトラム | ゴールドラム | ダークラム | |
|---|---|---|---|
| 樽熟成期間 | ほぼ無し(短期間ステンレスタンク) | 2ヶ月〜3年未満 | 3年以上 |
| 色 | 無色透明 | 琥珀色 | 濃い琥珀色 |
| 味わい | フレッシュでクセが少ない | まろやかさとフレッシュさの両方 | 樽由来の深いコクと香り |
※ホワイトラムも、樽で熟成させた後に活性炭でろ過して色味だけ取り除いたタイプが存在します。無色=無熟成、とは限りません。
軸2: 原料・製法による分類(トラディショナル・アグリコール)
もう1つの軸が、原料と製法の違いです。世界のラムの9割以上を占めるのがトラディショナル製法(インダストリアル製法)で、砂糖を精製する際にできる副産物である「糖蜜(モラセス)」を発酵・蒸留して造られます。工業的に大量生産しやすいのが特徴です。
一方のアグリコール製法は、糖蜜を使わず、サトウキビの搾り汁をそのまま発酵・蒸留します。搾りたての風味がダイレクトに残るため、サトウキビ本来の青々しい香りと強い個性が持ち味ですが、大量生産には向かず希少価値が高くなります。フランス領マルティニーク島などが本場として知られています。
つまり「アグリコールラム」は、色の分類とは別軸
ここが混同しやすいポイントです。アグリコール製法で造られたラムにも、熟成期間によってホワイト・ゴールド・ダークが存在します。つまり「アグリコールのホワイトラム」も「アグリコールのダークラム」もあり得るということ。世の中で「ホワイトラム/ダークラム/アグリコールラム」という3分類がよく使われるのは、あくまで実用上の目安であり、正確には「熟成期間(色)」と「製法(原料)」という別々の軸を並べて呼んでいる、という理解をしておくと迷いません。